
最後の六番目の星は、「いつまでも変わらないこと」を記録する地理学者が住んでいる星でした。そして、王子さまが自分の星の美しいバラの花のことを話すと、地理学者は「花っていうものは、はかないものなんだから」、記録に残す価値なぞないと言うのです。そのとき、王子さまはその花を「ひとりぼっちにしてきたんだ」と気がつきます。そして「はじめて、あの花がなつかしくなりました」と。
この地理学者に対して、王子さまは、どこか敬意を払っています。この地理学者は、大事なのは「いつまでもかわらないこと」、そして「はかないもの」があることを王子さまに教えてくれたのです。「はかない」とはどういうことか聞く王子さまに、地理学者は「はかない」を「そのうち消えてなくなる」ことだと説明します。
「いつまでもかわらないこと」、そして「はかないもの」がある、これも、この物語の大切なテーマです。つまり、後に、出会った狐の最後の言葉「めんどうみたあいてには、いつまでも責任があるんだ。まもらなけりやならないんだよ、バラの花との約束をね・・・・・」(116頁)にあるように、はかないからこそ「責任」を負うことが大事なことなのですね。だって、王子さま自身もはかないのです。でも「いつまでもかわらないこと」がある・・・。でも、どこに?
この後の地球での狐との出会い、その会話に、この答えが隠されているように思います。そういう意味でも、地球までのこの王子さまの星巡りの旅は、物語の中で大切な意味を持っているのでしょう。
何だか、王子さまと一緒に、六つの星の「へんな」おとなたちが、みんな地球にやって来たような気分になります。でも、そうなんですね、「地球は、そうやたらにある星とは違います。そこには、百十一人の王さま(もちろん、黒人の王さまもいれて)、七千人の地理学者と、九十万人の実業屋と、七百五十万人の呑んだくれと、三億一千百万人のうぬぼれ、つまり、かれこれ二十億人のおとなが住んでいるわけです」から。だから、ここで「おとなって、本当にへんなものだなあ」と思わないと、地球って、「本当にへんなものだなあ」と分からないでしょうから。
レポート;大和牧師様

