「おとなって、本当にへんなものだなあ」

王子さまは自分の星とそこで愛していたバラの花をあとにして、六つの星を巡って、最後に地球に降りていきます。その六つの星で、王子さまは六人の「おとな」に出会い、その度に「おとなって、本当にへんなものだなあ」とつぶやきます。ここで、いきなり地球に降り立つのではなく、何故、サン=テグジュペリは、王子さまとそれぞれ自分のことしか考えていない「おとな」たちとの出会いを描いたのでしょう?
かなりデフォルメされた「おとな」像、それは現実のわたしたちの「地球」の「おとな」ではなくて、六つの星という別世界の「おとな」という存在のようですが、でも、サン=テグジュペリは、16章で「地球は、そうやたらにある星とは違います。そこには、百十一人の王さま(もちろん、黒人の王さまもいれて)、七千人の地理学者と、九十万人の実業屋と、七百五十万人の呑んだくれと、三億一千百万人のうぬぼれ、つまり、かれこれ二十億人のおとなが住んでいるわけです」と書いているのです(岩波、内藤訳、90頁)。
つまり、やっぱり、この変な「おとな」は、わたしたち自身にある姿なのだ、ということでしょう。
レポート;大和牧師様

